バイクウェアの歴史

バイク乗りの鉄板革ジャンの歴史

革ジャンの誕生

革ジャンの誕生は、1927年にアメリカ陸軍が開発した、パイロット用の革製フライトジャケットが、世界初となっているのが定説です。
しかし、石器時代の人類は、すでに皮の衣服をまとっていた歴史があり、人類初の衣類とも言えます。
1991年に、アルプスの渓谷で見つかった「アイスマン」は、革のコートを身に着けていたことでもよく知られています。

この革コートは、最低でも複数のヤギ皮と羊の皮や牛皮を、組み合わせていることが分かっています。
また、アメリカ大陸の原住民であるネイティブアメリカンは、バッファローの皮を加工した衣類を身に着けていました。
このように、厳密に言えば、革とのかかわり合いの歴史は、はるか昔からのものだったのです。

革ジャンのメリット

ライダースジャケットの歴史は、当然バイクが発明された後の事ですが、防寒性だけでなく、転倒時の怪我防止のためにデザインされているのが大きな特徴です。
革ジャンの最大のメリットは、非常に丈夫だというところです。
現在のように、高度な文化が進んだ今でも、レース用のスーツに革ジャンが欠かせないのも、それを物語っていると言えるでしょう。

バイクに乗る場合、転倒の危険性は常につきまとっていますが、革ジャンを身につけていれば、転倒時のダメージを抑える事に役立ちます。
滑っても摩擦で熱が生じる事もなく、簡単に穴が空いてしまうこともありません。
また、厚手の革ジャンであれば、衝撃もうまく吸収してくれます。

革の種類と耐久性について

革ジャンであれば、どの皮であっても、丈夫で長持ちするわけではありません。
革ジャンに使用される皮は、定番の牛革のほかにも、羊や山羊に豚皮など、様々な皮が利用されています。
皮の種類は、動物の年齢や加工法によっても細かく分けられており、羊革(ラム)であればラムスキン、シープスキンなどがあります。

牛革(カウ)は、カウスキン/キップスキン/カウハイド/ステアハイド、馬革(ホース)ではホースハイド、ポニーなどがあり、ホースハイドはその希少性と軟らかさでかなり高価です。
ほかにも、山羊革(ゴート)にはキッドスキン/ゴートスキン、鹿革(ディア)や豚革(ピッグ)などがあり、それぞれに特性は異なっています。

革が持つファッション性とメンテナンス

多くのハリウッドスターが、革ジャンを愛していたように、ファッションとしての革ジャンは、ある種特別な存在と言えるでしょう。
各ウエアブランドから、様々な個性的なデザインの革ジャンが、発売されているのもそのファッション性ゆえのものです。
しかし、いくら高級で、柔らかな革ジャンでも、日ごろのメンテナンスを怠れば、すべて台無しになってしまいます。

そこで重要なのが、日ごろの革ジャンのお手入れということになります。
ご存じのように、皮革はカビがつきやすく、しまっておく場合には、必ず手入れをして保管します。
よく知られるミンクオイルは、最もよく使われるケア用品ですが、正しくお手入れをしておけば、革ジャンは一生ものともいわれます。
革に塗り込むと、しなやかさが強調され、深い艶が出るほか撥水の効果も発揮してくれます。
ただし、革の種類によって、メンテナンスの方法が異なってきます。