バイクウェアの歴史

レーシングスーツの歴史

レーシングスーツの歴史

ライダーたちの正装ともされるレザースーツ、その軌跡はオートバイレースにあることをご存じでしょうか。
レーシングスーツは、上下一体型のつなぎタイプで、プロテクターと一体型になっているのが特徴です。
このような、レザースーツが普及し始めたのは1950年のころ、それまでは上下別々のセパレーツタイプが主流でした。

なぜ、従来までのセパレーツタイプから、ツナギ状の革のレース用ウエアになったのかというと、一番は安全性の問題です。
また上下一体型ということもあり、極めて動きやすいというのも、レーシングスーツの特徴となっています。
さらに総合的に、防護服として機能性に長けているという点も、ツナギスタイルになった理由一つです。

日本で初めてのレーシングスーツ

日本で初めて、レーシングスーツを製作したのは、現在でもロードレースで、絶大な人気を誇るバイク用品の会社「クシタニ」でした。
クシタニが、ライダースーツを作るきっかけとなったのは、スズキのメカニックから、革つなぎを作って欲しいという依頼からでした。
それまで、海外では革つなぎが作られていましたが、日本ではそうした技術をもつメーカーは、スズキ以外にありませんでした。

クシタニは、これを挑戦と受け、本格的な革つなぎの製造に着手します。
思いのほか、クシタニ製の革つなぎの評判は良く、国内外の有名ライダーたちは、こぞってこのクシタニ製の革つなぎを着用するようになりました。
以来クシタニは、国内屈指のレーシングスーツメーカーとして、今もなお絶大な人気を誇ります。

レーシングスーツの特徴とプロテクターの誕生

モータースポーツにおけるバイクレースの面白さは、人が自らマシンを操ることを、直接見て取れるからといいます。
世界中のバイクレースで、革製のレーシングスーツは主流となりましたが、当初はプロテクターなどを用いられていませんでした。
クシタニは、ライダーたちの安全保護を目的として、パックプロテクターの必要性を感じていました。

開発に開発を重ね、クシタニはついに、バックプロテクターを開発します。
しかし、当初は、身につけると動きにくく、重装備になることから、その必要性が疑問視されていました。
ある時、世界選手権って重大なクラッシュ事故が発生し、壁に激しく背中をぶつけた選手が、すぐに立ち上がる姿を驚きの目で見守ります。
その時、そのライダーが身に着けていたプロテクターが、世界発のクシタニのプロテクターだったのです。

進化していくレーシングスーツ

現在、レースライダーたちだけでなく、身近にライディングを楽しむ方たちも、プロテクター入りのレーシングスーツを身につけるようになりました。
当時から見ると、動きやすく軽量になり、ファッション性さえ楽しむ人たちもいます。
現在では、こうしたライダースーツは、かなり進化してきました。
プロテクターは、部位ごとに分かれ、エアバッグ装着タイプまで販売されています。

しかし、まだまだ、レーシングスーツは発展途上で、これまで以上に進化していくことが予想されます。
ただ残念な事に、まだまだ日本では、普及率が高いとは言えない状況です。
大事な体を守るのですから、ライダースーツは常に、身につけていただきたいものです。